「…でね、あっくんが〜…」
とても楽しそうに――
俺の男友達の中の親友でもあり、
彼女の彼氏でもある亜久津――の事を話す、
俺の女友達の中の親友であり、
どんな女の子よりも大切で、
恋愛感情として大好きな――ちゃん。
…そして、そんな二人をくっつけたのは俺。
別にくっつける迄自分の気持ちに気付かなかった訳じゃ無い。
気付いてた。そりゃもうおもいっきり。
まぁ…ちょっと…大好きだった…
いや、大好きなんだ、ちゃんが…
――だから、何よりもちゃんの願いを優先した。
―ちゃんが好きだったのは亜久津だから…―
そう、これは自分が創った三角関係
「……って、キヨ〜?聞いてる〜?」
「聞いてる、聞いてる☆
聞いてないように見えた?」
俺の質問にちゃんは悩むそぶりを見せると、
少し困ったように俺を見る
「………少しだけ…」
「そっか…それじゃあゴメンね?
でもちゃんと聞いてるから、大丈夫だよ☆」
「――うん♪ありがと☆
…と言うかこんな惚気話聞いてたって面白くないよね〜(汗)」
「そんな事ないって!
亜久津の色んな面知れて俺は楽しいよ♪」
「……そ…う…?」
「そうそう☆」
「……良かった…」
俺の言葉にちゃんは嬉しそうに笑う…
これは親友の特権。
ちゃんは俺以外の奴に亜久津の事を喋らない。
別に、喋ると変な目で見られるとか…
そうゆうのを怖がってるからじゃなくて、
理由は知らないけど…きっとそれも亜久津の為なんだと思う。
「…でもキヨさ、なんか……」
「……ん…?」
少し間を置いて、不安そうな顔で切り出したちゃんに俺が首を傾げると、
ちゃんは真っ直ぐに俺を見てきた
「なんか…キヨ……ちょっとだけ辛そうだよ…?」
「…………え…」
ちゃんの言葉に唖然とする…
辛そう…?
俺、話聞いてる間、辛そうにしてた…?
久しぶりに前の事を思い返してたからかな…。
ちゃんに変な心配掛けるつもり無かったんだけど…
でも……
「………ちょっと、嬉しいかも…。」
「へ…?嬉し…い…?どーして?」
「ちゃんが俺の事を良〜〜くッ
見てくれてるって事だから☆
そうじゃなきゃ、俺のちょっとした変化に気付いたりしないでしょ?」
俺の言葉に驚いた後、
照れた様にちゃんは目を逸らす
「そ、そうかなぁ〜…//」
「多分、俺の知る限りでは、
亜久津とちゃんだけかな〜?
…俺のそーゆー変化に気付いてくれるの。」
「…………そっか。
……じゃあ早く現れると良いね!」
「…現れるって…何が?空からのお迎えが?」
「ちっ違うよ!?そんなんじゃないよ!!?
…ほら、何て言うか…その…キヨの理解者!
キヨを他の誰よりも解ってくれて、
キヨが安心して傍に居れる相手!!
……そんな子が現れたら…きっとキヨ、今迄以上に幸せで…
今よりもっともっとラッキーになれるよ!!」
“多分…”と最後に自信なさげに笑って付け加えたちゃんは、
ピタリと固まってる俺に呼び掛ける
「?……キヨ〜?キヨってば!
……どうしたの?大丈夫…?」
「えっ!?…あ……うん、大丈夫…だよ…。
………あのさ、ちゃん。」
「ん?」と今度はが小首を傾げる…
少し下を向いた後、ゆっくりと顔を上げて
の瞳を真っ直ぐ見つめた…
「もし……もし、ちゃんの言う事が本当なら……
俺はもう充分幸せで、物凄くラッキーなんだね」
自分の顔が緩むのを無意識に感じる…
意味が解らないと言う様なちゃんの顔に、
フッ…っと、つい、笑みを溢して…
俺は『何でもないよ☆』と誤魔化すと、
止まっていたちゃんの話を促した…
ちゃんもそれに吊られて、何事も無かったかの様にさっき迄の話を戻す…
そしてまた、“いつもの二人”に戻るんだ
…そうだ、これで良い、今はまだ、このままで良い。
――ちゃんが幸せだからこれで良い。――
――いつか、この関係が壊れる時迄は…
俺は君の、世界で最高の“親友”で居てあげる……
今までの様に…これからも……
そう……
この関係が…壊れる迄は…
〜あとがき〜
最近本当に更新できなくて申し訳ない(汗)
さて、今回はあっくんヒロインに対してのキヨだったのですが…
こんな感じです(爆)
いや、私の中での彼等の関係はこんな感じなのです。
キヨはあっくんにとってもヒロインにとっても大の付く親友で、
けどあっくんからしてみれば、一番の強敵で…
キヨにとってもあっくんは、一番の強敵で…
それでも、奪い取りたい気持ちはあっても
ヒロインちゃんが幸せならそれが自分の幸せだから
恋のキューピット役を買って出るのがキヨです☆
まぁ、一言で言えばヒロインちゃん命ですね(笑)
だからこそ、彼はヒロインちゃんに
自分の想いは告げたりしないのです…
それを告げることで、ヒロインちゃんが幸せになる状況になるまでは…ですがね☆