!ジローを呼んで来い!」


「はいはい」




ある天気のいい部活中

ジロちゃんを呼んで来るのが私の日課にもなっていた…




「今日はこんなに天気もいいし、風もあるから…

こっちかな?」




大体の見当は付いている…

なんたって日課になるぐらいだから

樺地君が知らない寝場所だって天気で解る様になった…




「こんな風に解る様になったのは

いつからだっけ…」




始めは全くもって解らなかったのは覚えてる…

跡部に言われて探しに行ったは良いが

いつまで経っても見つからず

結局見付けたのは部活後で…


それからは樺地君にお願いして

寝ているであろう場所を教えてもらって、

探す時は教えてもらった場所を手当たりしだい見て行った…




「いつからか私が探し役になってたんだよねぇ〜…」




始めの頃は驚いてたなぁ〜

…てか私の事知らなかったっぽいし…(汗)







『えっと…跡部…部長が、起こして来いって…言って…いたので…(疲)』


『…大丈夫?』


『あ、はい…多分跡部は怒ってないと思いますよ(^^;)』


『そうじゃなくて……。キミの…名前は…?』


『へ…?えっと……ですけど…』


、今度から……よろしく…ね……Zzz…』


『よろしくって…てぇ!!寝ないでください!!

あの!!もしもーし!?』


 








「あの後当分起きてくれなかったなぁ…(汗)」




そんな事を考えながらでも自然に足は動く…

テニス場から校舎をコッチに行って…

この木の横を通って…

あの草を掻き分けると…ほら…




「見〜つけた♪」




日当たりのいい木下…

木漏れ日がキレイな模様をジローに付けている…


いつもの様に木に寄りかかり

ぐっすりと眠っているジローに

は自然と顔をほころばせる…




「ほんっと…幸せそうだなぁ…

寝てる時が一番幸せだったりして☆

…あ、でもテニスしてる時が一番楽しそうだしなぁ…」




幸せそうなジロちゃんも

楽しそうなジロちゃんも私は好き…

見てて、私まで幸せになったり楽しくなったりするから




起こさない様にジローにゆっくり近付き

ジローの前にしゃがむ




「だからね、私は…




…と、こんな事してる場合じゃないよね

おーい、ジロちゃーん!」


「ん〜〜〜…」


「ほーらっ起きて!」




起きるかな?っと思ったがやはり甘かった…

すぐに眠りに落ちてしまう…

昔からこれには困らされていた

起こすコツに気づいたのはずいぶん後だったが…




「ジロちゃんってば

大好きなテニスが待ってるよ〜?」


「ん〜…

…?」


「おはよ♪

はい、起きて☆」




“テニス”と、言う言葉を出すと

少なからず反応はする…と、いうことは気づいた

というより発見した…と、言うほうが合っているかもしれない…

昔、色々な単語を出したとき“テニス”には反応したのだ




「(それだけテニスが好きだって事も

解ったんだけどね♪)」




まだ寝ぼけ眼のジローを見ながらは微笑む…




「ん……?

どうしたのぉ…?」


「へ!?
///

なっなんでもないよっ
///


「ふぅん……」


「ほら、そんな事より

早く跡部の所に行かな…て、キャアッ!?」




が立とうとした瞬間

いきなりジローに手を引かれ

体制を崩し、ジローの上に倒れこむ…




「っジ…ジロちゃん!?」


「だめ」


「へ…?」


「行っちゃだめ」


「だめって…ジロちゃん?」




は起き上がろうと思ったが

ジローが抱き締めてきて離れられない…




「ジ…ジロちゃん?

えーっと…一先ず離して?行かないからさ」


「…や」


「(“や”って…可愛いけどさ
///

うぅ〜…あ!ほら、私って重いでしょ?

だから退きたいなぁ〜…」


「全然重くないよ?」


「ジロちゃんがそう思っても私が気にするの!

だから、ね?」


「………………」




ジローは少し考えるそぶりをした後

抱きしめていた手を緩める…


は「(離してくれるのかな?)」と思い、ホッとしたのもつかの間…




「!?」




視界が一変し

目の前にはジローの顔とその後ろに木の葉とその奥に太陽…




「これなら重くないよね?」


「…………へ?」


「ね?
vv


「っっそうゆう問題じゃなぁーーい!!!」




…つまり、“押し倒された”のだ




「なんで?

俺に乗るのが嫌だから離してほしかったんだよね?」


「そっそうだけどぉ〜
///




当っている…が、当ってもいない…

どうすれば解ってくれるだろう…

ここはハッキリ“恥ずかしいから”と、言った方がいいのかもしれない

が、

自分の予想からすると…




『……え…?

…俺と一緒に居るの…恥ずかしいの…?』




と、悲しそうな顔で言うジローの顔が目に浮かぶ…

益々ややこしくなる予感がするので

言う事が出来ない…




「んーと……(汗)」




と、(押し倒されたまま)悩んでいると

名前を呼ばれる…

どうしたのかとジローを見ると

始めてみる…ジローの真剣な顔がを見つめていた




「ねぇ…俺の事、キライ…?」


「…ジロ…ちゃん…?」


「ねぇ…キライ…?」


「っそんな事ないよ!!絶対ない!!」


「………ホント…?」


「うん!!」


(頷けないので)力いっぱい返事をするとジローはホッとした

表情をする…

そして…




「じゃぁ…好き…?」


「え?」


「俺の事…好き?」


「ぇええっ!?
///


「え…?…俺の事…キラ…イ…?」

と、慌てているの顔を悲しそうに覗き込む…




「キライじゃない!!!」


「じゃあ好き?」


「うっ…(なんでその二択しかないの!?
///)」


…どっち…?」


「っ〜〜〜〜
///

(うぅ〜〜
///………あ!)

ジロちゃん!」


「ん…?」


「跡部が呼んでるから早く行かな…」






次の言葉は出なかった

いや、出す事が出来なかった…

手首を捕らえられ、噛みつく様な口付けを落とされる…




「ふっ…ジロ…ちゃ…っ…ンん…」




喋ろうにも何度も落とされる口付けに言葉が続かない



何度目か解らない口付けに苦しくなり、ジローの胸板を押すと

名残惜しそうにゾローは唇をから離した…




「はっ……ぁ…
///

ジロ…ちゃ…ん…?
///




潤んだ瞳でジローを見ると

いつもみたいな明るい表情ではなく

どこか…影を落としているような…暗い表情…




「ジロ…ちゃん…?」




が名前を呼ぶとジローはビクッっと震える…

俯いていてジローの顔がよく見えない




「ジロちゃ「は」




名前を呼ぼうとしたの言葉を遮る…




は…

は…跡部が好きなの…?」








「っはぃい!?」






あまりに拍子抜けな言葉を言われた為

体の力が一気に抜ける…




「だって…さっきから跡部の事ばっかり…」

「違う違う!!!絶対違う!!!!

寧ろありえない!!」



「…………本当…に?」


「うん!!!

それに私が好きなのはっ」




そう言い掛けてはハッと口をつぐむ…

そんなにジローは顔を近づける…




が…好きなのは……誰?」


「っ
///







ジローの唇がのもう一度唇に触れかけた瞬間




「ジロー!!!!!!

…ったく、どこに行きやがったんだあいつ等…」


「(あっ跡部!?)」




どうやらあまりにも遅いので跡部直々に探しに来たようだ…




「…ちぇ……来ちゃった…



また…今度、ね?」




そう言ってに微笑むとから退き

跡部が居るであろう場所へ向かう…




「跡部〜〜…」


「はぁー…ジロー…。どこに行ってやがった。

それにはどうした?」


「ん〜〜…?寝てたぁ〜…」


「ぅンな事解かってんだよ

はどうした」


「跡部…の事ばっか心配するね

…………でも…残念でした…」




急に不敵な笑みを浮かべるジローに

跡部は顔をしかめる…



「……どう事だ」


は…俺のだよ…?

…とっくのとおに…ね」


「ハッ…言ってろ

捕ろうと思えばいつでもお前からは捕れる

今は自由に羽ばたかせてるだけだ…」


「…“羽ばたかせる”?」


「“蛹”から孵ったばかりの“蝶”を

すぐに捕らえてもその綺麗な羽を拝む事が出来ない…

羽が完全に開かれ、飛び立ち

雨風に吹かれ、太陽の光によって輝きを増した蝶は

何よりも美しく見えるモノだからな」


「…渡さないよ…?絶対に、跡部にも…他の奴にも…」




その言葉に跡部はフッっと笑みを浮かべると




「精々頑張る事だな」


とだけ言いコートへと戻って行く…


 

 

 














一人取り残された


何も知らずに


自分に降り注ぐ木漏れ日を見つめていた…
















 

 

 

 

 

 





〜あとがき〜

あれ?シリアス…?(汗)

甘々にするつもりがこんな事にぃ!!!

てか、もしかして続くの!?続いちゃうの!?

あぁ…元は短編モノなのに…(汗)

書けそうなら頑張ります(−−;)

では、ありがとうございました☆