廃墟から移動して数十分経った…見るかぎりまだ橋へは着きそうにない…
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「大丈夫?壇君」
「あっは…い。はぁ…大…丈夫…です。」
「チッ…あまたったれてんじゃねーぞ…太一」
「あっくん!普通はこれだけ歩けば疲れるよ!」
「テメェは全然疲れてるように見えねぇのはどういう事だ?」
「うっそれ…は…」
「亜久津先輩!!僕大丈夫ですから!!」
「あ?急に何だよ太一。
て、おい!あんまり先に行くんじゃねぇ!」
「壇君待ってよ〜!」
「ほら、このとおり大丈夫です!
ね、亜久津先輩!!」
「解ったからさっさと戻って来い!!」
「(……先輩が疲れてるように見えないのは……)」
「壇君〜地図見たらもう少しみたいだから早くお出で〜。」
「あっはいです!」
……疲れてるように見えないのは……
「えっと今ね、地図見たらこの方向に行くと見えて………!!」
「あっ!橋です!!あれ、そうですよね!」
「うるせぇ、一々騒ぐな…テメェらはそこで待ってろ…。」
「あ…はいです…。」
「気をつけてね…。」
「…………。」
亜久津は二人を残し先に橋まで行く…
「……あの…先輩……えっと…。」
「…?…なあに?壇君。どうかしたの?」
「その…亜久津先輩は、
先輩が何か隠してる時とか…
気付いてましたか?その事に」
「……それは今私が疲れてるのを隠してるから
それをあっくんが気づいてるかって事?」
「あっ…その…」
「あはは☆いいよいいよ♪
うーん……多分だよ?
ノロケかもしれないけど、さ
…あっくん…優しいから…いつも…
何気なく心配してくれるんだよね…
って、ゆうか人が居ない時に気を使ってくれるといいますか…
…あ!壇君やキヨもだよ?」
「…先輩…。」
「と、そーいえばキヨ。
今どこにいるかなぁ…ね〜、壇君。」
「そう…ですね…。」
「…?……壇君?」
「おい。橋の近くに家があっから行くぞ。」
「はーい☆」
「あっ待って下さいです!先輩〜!
(先輩は…やぱり誰よりも亜久津先輩を信用…しているんですね…)」
橋に近くと遠目から見るより少し大きく、古い木で出来ている様だ…
橋を渡った所に同じ様な廃墟建っている
三人はそこへ向かうと家で少し休む事にした…
その頃……
「地図で見るかぎりこの島は
周りを海で囲まれ島を割るように川が流れて
それを五つの橋で繋いでいる状態だ…どう思う…手塚。」
「そうだな…
もしかしたらこの地図に書かれていない所や
脱出ルートがありそうだ…それを見つけるのに時間がかかる
見つけたとしても監視されているか…もしくはこの爆弾…
もう少し調べてみる必要がある…
乾、何か手だてはあるか?」
「ああ、どうにか…な…
竜崎先生の居る学校には俺達を見張る為に沢山のコンピューターがあるはずだ…
それの操作を一時的にこっちの物にして中身を書き換えるか
あるいは本部自体を壊すか…
あと出来れば竜崎先生と連絡が取りたい…
もしかしたら手伝ってくれる確率がまだ残ってる…」
「そうか……少なくともこの爆弾には
脈拍を感じとる機能が付いている事は分かる…。」
「そうだな…外せる方法も探しておこう。」
「そうだな………。」
「……手塚?……の事を考えているか?」
「!………ああ。」
「…推測だが、このゲームに出ている殆どが、に特別な感情を抱いているはずだ…
気の狂った奴以外、他の誰かに殺される事はない…
無論、俺もだがな…。」
「ああ…確かに…な…。」
「さて、そろそろ場所を変えた方が良さそうだ…
行こう…手塚。」
「ああ。」
今どこに居るのだろう…
そう思いながら深い森の中を歩いていく…
誰よりも優しく、笑顔を絶やさないキミが…
悲しみで染まらない事をひたすら願いながら…。