「キヨ〜?

どこ行ったかなぁ…キーヨー?」



時間はお昼時…

私はお弁当片手に校内を徘徊する…


理由は一つ

彼氏=千石清純=キヨを探しているのである…


いつも私とキヨとあっくん(亜久津)で

お昼を屋上で食べるのが日課で(あっくんは嫌がっているが…)


今日もいつもと同じ様に屋上に行ったのだが…



「あれ?キヨは?」


「あ?知らねーよ」


「珍しいなぁ…」



いつも、私やあっくんより早く来るか

私をクラスの前で待っててくれて

一緒に行くかしていたキヨが来ていない…



「今日、学校来てたよね?」


「さあな」


「だよね、来てたよね」



“さあな”としか言っていないのに

来ていた事にしては話を進める…



「…………あっくん」


「……なんだよ」


「私、ちょっとキヨ探してくるね!!

一人で寂しいかもしれないけど

今日は先に食べてて!!」


「なっ!寂しくねっ…」



亜久津が反論したときには

すでにの姿はなく

階段を降りていく音だけが聞こえた…








「もぉっどこ行ったの!?キヨ!!

あっくんがしょんぼりしながら

待ってるってのに!!!」

(しょんぼりはしていない)


上の階から下の階までくまなく探したが

千石の姿はない…


はもう一度

今度は下の階から上の階までくまなく探す…


何度となくキヨと同じクラスの人に聞くが

返ってくる言葉は


「ごめんなさい、知らないわ」


「え?来てはいたけど…

屋上に行っていないのかい?」



ばかりだ…


最終的には


「え?あいつ、屋上に行くっつってたぜ?」


「千石?屋上行くって言って出て行ったけど…」



と、皆最後は“屋上に居る”と言うのだ



「だー!!もう!!!

どこぞの少女漫画じゃないんだから

すれ違いなんてさせないでよ!!!」




と、文句を言いながら

はまた屋上へ向かう…




階段を上りきり


バンッ

と、思い切り扉を蹴り開けるが…




「あっくん!キヨは!!!?」


「さあな」


「はぁ!?まだ居ないの!?」


「…どこまで行ったんだ…テメェ…」


「どこまでって…

校内を人に思い切りぶつかりながら

探して来たけど…

なに?ホントに寂しかった?」


「違ぇ!
///

………お前は……本気で好きなのか?あいつが」


「………へ…?」



いきなりの質問には気の抜けた声を出す

亜久津はを見上げると

ただ、淡々と言葉をつなげる…



「さっさと答えろ

本気で好きなのか」


「………答えてもいいけど…

なんであっくんがそんな事聞くの?」



そう聞くとばつの悪そうに顔をから逸らし

考えるそぶりをした後

何かを思いついたようにをまた見上げ


一言…























「アンケートだ」































グッハァッ!!!!!(吐血)


























「(ビクッ)!?」






はその場に倒れ、震えていた…


亜久津は何故そうなったのか解らず

疑心の目でを見る…


は理由はただ一つ…




























「(カッッワッ!!!!!///)」



























と、亜久津の言葉に打ち震えていたのだ…

多分これを本人に言ったら

殴られるだけではすまないだろう…



は笑いとニヤケを押さえながら

どうにか起き上がる…



「ククッ…ごめっ………なんでもなっ…アハハッ…」




どう見てもなんでもなくないだろう





亜久津は変な物を見るような目でを見ると

もう一度、同じ言葉を繰り返す



「さっさと答えろ

本気で好きなのか」




は笑いを抑えながら亜久津を見る



「解ってるって…クッ
///

あっくんがちゃんと答えてくれたから

私もちゃんと答えるよ…クスクスッ…」



は呼吸を整えると

亜久津に笑顔を向ける



「勿論!!

私はキヨが大好きだよ
vv




と、満面の笑みで言うと

亜久津はクッ…と笑い



「だとよ」



と、の後ろの方を見ながら言う…



「え?」



バッっと後ろに振り向くと

赤面した千石が片手で顔を押さえながら立っていた…



「キヨ!?」


は驚きながら立ち尽くしている千石に近寄る…



「キヨ?どうしてここに…

てか今迄どこ行ってたの!?」


「え?…いや…うん…
///



千石は問い詰めるから目線を外す…

そんな千石に亜久津はまた喉の奥で笑うと



「そいつは居たぜ?

ずっとここに、な」


「はぁ!?屋上に!?

だってあっくん“さあな”って…」


「俺は“居ねぇ”なんて言ってねぇだろ」



と、言う亜久津には固まる…

確かに亜久津の言う事は正しい…が、しかし



「キヨ!!どーゆう事!?

私ご飯も食べずに探し周ってたんだよ!?

理由言ってくれないと絶交だからね!!」


「(絶交!?別れるんじゃねぇのかよ!?)」



つい、亜久津でさえも心の中でツッコんでしまう…



「絶交なんて嫌だぁ!!!」



乗る千石…



「じゃあ理由!話して!!」


「うっ……仕方ないな…解ったよ…。

…ただ…単に少し…不安だったんだ…」


「……不安?」


「その…ちゃん…さ…

結構仲良いでしょ?……亜久津と…」


「……あぁ、うん。

それなりに遊び相手として」


「(遊び相手!?)」


「だから…さ……

亜久津に頼んだんだ…手伝ってほしいって…

その…実は俺より…

亜久津の方が…

好きなんじゃないかって…思ったか…ら…」


「………はぁ〜〜〜〜〜…」


「(なんかすっごい溜息吐かれたー!?)」



は呆れた様な顔で腕を組み、千石を見る



「キヨ、キヨがそう望むなら私はそうでもいいけど?」


「え!?」


「私はキヨが好きだよ?

だからキヨが幸せだったり

キヨの望む事なら私は叶えてあげたいって思う。

例えそれが“別れたい”でも“誰々と付き合ってやって”

とか言う馬鹿げた事でも…」


「そんな事っ」


「キヨは言わない。

解ってるよ、キヨの事…解っているつもりだよ…?

だから、キヨも信じてよ☆私の事を…さ(*^-^*)」


…ちゃん…」


「ね、キヨ☆」


「…うん、ごめんねちゃ…ククッ」


「…キヨ?…こんなシリアスシーン終わって

ほのぼのする所でいきなり笑い出すとはどうゆう事かな…?」


「いや…ゴメッ…クスクスッ…

緊張取れたら亜久津のアレ…思い出しちゃって…アハハッ…」


「プッ…クスクスッ…」



千石につられても思い出し、笑い出す…



「おい…テメェら…なんの事で笑ってんだよ



「「え?いや、何でもなーい☆」」







さっきまでのシリアスなムードが嘘だったかの様に二人は笑い出す…

一人理由の解らない亜久津は怪訝そうな表情で二人を見る

しかし、諦めたように小さく溜息を吐くと

煙草を取り出し、火を付けた…






















〜あとがき〜

前半キヨ出ねぇ!!!!!

初キヨ夢なのにキヨ出番少ないし

意味不明だし、シリアス入ってるし…

こんなの読ませてすみません(汗)

余談ですが、あっくんは心配していたのですよ二人の事を…

だから最後には一緒に笑っている二人を見て安心したんですねv

つくづくあっくんは良いトコ取りですから(笑)

では、ありがとうございました☆