いつもの学校にいつもの屋上…
ただ、“いつも”と少し違うのは………
「「ハッピーハローウィーン!!」」
「………………」
と千石に連れられ学校に来て、
亜久津はいつもの様に真っ先に屋上へ向かった。
授業なんざ出ても出なくてもどうにでもなる。
そう思い、こうしていつも屋上へ来る。
今日もいつもと同じだと思っていた…
――いや、そんな事さえ当たり前すぎて考えていなかった…
「………………」
そして、今、この状況。
いつもの屋上。
いつもの場所。
そこに、いつもはまだ居る筈の無い奴らが居る。
「おーい、亜久津〜?」
「あっくーん?
……ここまで驚かせるつもりはなかったんだけどなぁ〜…」
固まっている俺を尻目に
こいつ等は勝手に首を傾げ、笑い合う
「………テメェ等は何やってんだよ」
「あ、喋った!」
「固まったままだったらどうしようかと思った〜♪」
『ね〜♪』と、声を合わせてまた笑い合うこいつ等に
色々と怒り…と言うより苛つきを覚える…
「こっちの質問に答えろ。
テメェ等は何でここに居んだよ」
そう苛立ちながらもう一度聞けば
「見て解らない?」と見せるように着ている服を手で掴む
「………………」
「「ハロウィーン☆」」
「……………馬鹿か。」
「あっ…あっくん!
溜め息混じりに言わないでよ!!」
「そうだよ亜久津ー!
この日の為に頑張って用意したのにー!!」
そう抗議する二人の格好は…
が魔女…らしく、千石が吸血鬼…な格好。
「……テメェ等いつから…」
「この服買ったのはこの前で〜…
今日は制服の下に着て来たの☆」
「………………」
普通、制服の下にこんな衣装じみた物を着れば
明らかにいつもと違うのでバレる筈だが…
「ホント、ちゃんと二人で
この日の為に用意してきて良かったよ☆」
「そう言ってもらえると、
計画した側としては嬉しいな〜♪」
…そう、数日前から二人揃って制服の下に何かしら、厚手の服を着始めた…
――この日も、ただの厚手の服だと……思っていた…。
屋上も、いつも通り誰も居ないものだと……
その“いつも”を利用してまで、こいつらは用意してたのか
ただ、この日の為だけに。
―あぁ…慕わしい―
「………あっくん、びっくり…した?」
いつの間にか俺の目の前に来て、
下からどこか不安げな顔で聞いてくるに
俺は反射的に目を背けた…
「ッ〜〜〜やった!!」
その俺の態度で解ったのか…
は瞳を輝かせた後、
嬉しそうに満面の笑みを浮かべる
「大・成・功ー!!」
「やったねちゃん!!」
が喜ぶのと一緒に千石も喜び、
二人で何度かハイタッチをする
その光景を呆れたような顔で見ている亜久津に
と千石はニヤリと笑い、確かめるように頷いた
「さて!それじゃあ始めよっか!!」
「…………ぁあ゛?」
「パーティーだよ、パ・ア・ティ・イ☆」
そう言って屋上に放置してあった
(多分、教室に行かずに屋上へ来たからだろう)
自分達のバックを取り出し、
その中から取り出したものは…
「ジャジャーン!!
お菓子に飲み物!!」
「ジャジャジャジャジャーン!!
ハロウィン用のパーティーグーッズ!!」
「………おい、テメェ等まさか…」
「「ハロウィーンパーティー♪」」
「ちなみに、今日は俺もちゃんも授業出ないから☆」
「なんたってバックの中身はぜーんぶ
お菓子とジュースとパーティーグッズだからね!」
そう得意げに話し、意気揚々と目の前で
パーティーの準備を始める二人に
亜久津は一人、溜息を吐いた……
――けれど
「ほらほらー!あっくんも座って座って!」
「あれ?ちゃーん、クラッカーどこ〜?」
こんな“いつも”と違う日も、良いのかもしれないと……
こんな日が、あっても良いのかもしれないと……
自身も気付かない位に頭の片隅で想いながら
二人の居る場所へと、腰を下ろした。
〜あとがき〜
ハッピー?ハロウィーン!
今回は久しぶりに“ほのぼの”です☆
しかも頑張ってあっくん視点にしてみました!
……所々できてないけど。
さて、あっくん視点でハロウィンだったわけですが…
平凡で、殆ど変わらない“いつも”も良いけれど、
時には、“いつも”と違うようで変わらない…
そんな“いつも”があっても良いんじゃないでしょうか?
って、意味解りませんんねwww
でもそんな感じです☆(どんなだ)
それでは、楽しいハロウィンを☆